雨のち晴






次の日。


いつも以上に落ち込みながら、


学校生活を送った。


昨日朱里と丘谷が一緒にいた。


それだけでもう狂いそうで。





「十夜~?」





「あ?」





「何でもないです」





帰る準備をしながらふざける


輝と力哉は、俺に頭を下げる。






「悪ぃ、八つ当たりした」





「何あったよ、お前」





「十夜くん、暗いぞ」





暗いって。


それ中山も同じこと


言ってたっけ。


結構へこみながら鞄を持つと。


携帯のバイブが鳴った。






「は?」





「何、誰?」





画面を覗き込む輝は、


驚いて目を丸くしていた。


そこに出た番号は、


輝に教えてもらった、


丘谷の番号だったから。






「力哉、どうする!丘谷さんだよっ」





「出ればいいだろ」





俺よりも焦ってる輝は、


1人訳の分からないことを


言い続けている。


出ないでおこうかとも


思ったけど、一向に切れる


気配はなく。


仕方なく出ることにした。






「もしもし」





『いきなりごめんね。丘谷です』





「何すか?」





『俺ちょっと用事あって学校来てんだわ』






スピーカーにしながら、


一緒に聞いていた輝は、


また更に目を丸くした。






『1階の教室にいるから、ちょっと来てもらっていいかな?』





「…分かりました」






電話を切って一息。


何で俺、心臓ばくばく


させてんだ。







「行って来るわ」





「十夜、気をつけろよ」





「ばか。別に喧嘩しに行くわけじゃねーよ」






今日はまじで先に帰れよ、と


言い残し、1階を目指した。


用事って何しに?


朱里に会いに?


俺に話しに?


頭をぐるぐる色んなことが


駆け巡って。


答えの出ないまま、


丘谷に会ってしまった。