電話を切ったタイミングで、


クラスの奴らが入って来た。


また後で、と自分の席に戻り、


放課後まで適当に過ごした。


頭の中はもう、


どうやってケリをつけようか。


ということしかなかった。


そんなことを考えてたら、


一瞬で放課後になり。


すぐに咲坂から連絡が入った。






『学校近くのファミレスにいる』






「すぐ行くから待ってろ」






不安そうな輝と力哉に、


1人で行くと告げると。


俺らも行くと何度も言われた。


だけど俺は、どうしても


1人で行きたくて。


無理矢理置いて、


1人で近くのファミレスに向かった。






「いらっしゃいませ」






思ったより早く着いた俺は、


店員の案内を断り、


店内を探す。


一発で分かると、真っ先に


その席へ向かった。


そこには5人の顔が並んでおり、


端に咲坂の姿があった。






「十夜」






俺は何も言わずに、


その席の近くに立つ。






「座る?」






「いや、いい」






咲坂を視界に入れず、


男たちをずらっと見る。


こいつらがやったのかと思うと、


もう我慢が出来なくなって。







「藤田くんが悪いんでしょ。里菜と朱里ちゃん、たぶらかすからさぁ」







「は?」






「朱里ちゃん可愛かったぜ?十夜、十夜ってな」






「言ってたっけ?」





「言ってたろ。可愛い声でな」





ケラケラ笑うこいつらに。


俺は何も言わずに、


端から1人ずつ殴りかかった。


もう周りに誰がいようが、


関係なかった。


机もぶっ飛んで。


イスを散らかって。


俺は殴り続けた。