「おい、朱里。起きろ」 「…ふぇ?」 肩が揺れて、目を覚ます。 「ったく、寝起き悪ぃ」 聞き覚えのある声に、 体が反応した。 恐る恐る目を開けると、 そこにいたのは さっき手当てした十夜だ。 「な、何してんの…、十夜?」 「サボり。つまんねぇ授業だから」 十夜はそう言って、 あたしの隣に腰を下ろした。 「ふーん……、」 何となく素っ気無くしたりして。 だけど本当は、近くにいることが 嬉しくて嬉しくてたまらない。 そんなこと、本人には 口が裂けても言えないけど。