「付き合うことに、なりました…」
「え!嘘!」
「まじで?」
文化祭後の休みも終わり。
学校で会った恵衣と麗華に、
1番初めにご報告。
想像以上に驚く2人。
そりゃ…そうなるよね。
驚く、よね。
「本当ごめんね。2人には迷惑ばっかかけて」
「何言ってんの!水臭いなぁ」
「でも…藤田は、いいの?」
心配そうな顔であたしを見る2人。
麗華の口から藤田と出て。
思い出さないわけなくて。
「ばか麗ちゃん!いいわけないじゃん!」
恵衣は麗華の肩をぱしっと叩く。
麗華は慌てて、ごめんと言った。
「とりあえず、あたしは諒司先輩を大切にしなきゃだから」
そう、あたしは諒司先輩と
幸せになるんだ。
あの日から毎日連絡がくる。
暇なの?ってくらいの、
メールの返信の速さと、
寝る前のなかなか切れない電話。
些細なことが嬉しくて、
諒司先輩の気遣いが胸にきて。
何か、大事にされてるって。
思うことが出来るから。
「それにしても報告遅すぎじゃない?」
「確かに!付き合って何日か経ってるでしょ?」
そう言われて黙り込むあたし。
本当はすぐ連絡したかったんだけど、
疲れて寝ちゃって。
休みの間に連絡しようとも思ったけど、
直接口で言いたかったし。
そんなあたしの気持ちを聞いた2人は、
仕方ないなぁと笑ってくれた。
「何かあったらまた言いなよね?」
「常に朱里の味方なんだからっ!」
こんな2人がいてくれる。
あたしはそれだけで、
本当に幸せ者。
嬉しくて嬉しくて。
泣きそうになったのは、
内緒の話。