ふたりの恋



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店を出て、山井くんはパッと手を離した。



あたしは、その手を呆然と見つめる。



「・・・大丈夫? ちょっと歩こうか・・」



「・・・え?あ・・うん・・」



何が大丈夫なんだろ??あたし、涙堪えたはずだけど・・・



「・・リサっち、居辛そうだったし、超泣きそうだったから・・・
・・っつうか、京真も京真だよな・・はっきり、リサっちは彼女だって言えばいいのにさぁ・・・」



「あ・・・いいの。だって、やっぱりあたしみたいな子って普通すぎて・・面白くないだろうし。あの女の子だって言ってたじゃない?京真は派手な子が好きって・・」



「・・・リサっちはさ、なんで京真と付き合うことにしたの??」



「・・・わかんない。半分勝手にそうなったっていうか・・・」


ソレ、あたしも知りたいよ・・・



「まぁ、京真の今までの女はみんな、ド派手でギャルギャルしててさぁ。リサっちとは真逆な感じだったけど・・・。でも、リサっちに対する態度とか見てると結構マジっぽく見えたんだけどなぁ・・・」



「そんな風に感じたことないけど・・・?」



「そぉ??京真が俺らの前であんな風に膝に乗せたり~とかしたの始めて見たからさ。
今までの女は、勝手に京真にまとわり付く、しがみつく~みたいな?京真はされるがままって感じだったし。」



「そうなんだ・・? でも・・あたし好きとか言われた事ないもん・・」



山井くんはギョっとした顔であたしを見た。



「・・・リサっちてさ、そういうの天然??それとも計算??」



「へ??なんのこと??」



すると、山井くんはハァ~~っとため息をついた。