・・・やっぱり、京真の好きなタイプはあたしと正反対の子なんだ・・。
あたしみたいな地味な普通の子なんて・・・京真には似合わないよね。
京真も、何も言ってくれないし。
《俺と付き合ってくんない?》とかって、何かの罰ゲーム??
まだ京真の膝の上にいるのに、
・・・さっきまでのドキドキが全く感じられなくなってる。
胸の奥からこみ上げるキューーーーンってヤツが来ない。
・・・・とにかく今は・・・自分自身が恥ずかしい・・・
うわぁ・・・ヤバイなぁ。泣きそうになってきたよ。
視界の隅でさっきの女の子が京真になにか一生懸命喋ってる・・・
いつの間にか、さっきまであたしのお腹に回されてた京真の腕がほどかれてる。
あ・・・あたし・・・膝からおりなきゃ・・・
そう思った途端、ふわっと身体が浮いた。
「じゃぁ、リサ行こうか♪」
山井くんがあたしの手を握って京真の膝の上からおろす。
あたしは、目に溜まった涙を落とさないように、目を必死に開けてそれを髪の毛で隠れるようにした。
京真は・・・
ギロっと山井君を睨んだまま、さっきの女の子がくっついてくるのを表情を変えずに受け入れていた。
その様子を見て、山井くんはあたしの手を掴んだまま店を出た。

