予想していたより、社の造りは広かった。 礼に用意されたのは、入り組んだ回廊の一番奥の部屋だ。 七日の内に、確実に迷子になるだろう。 「すっ、スイートルーム!」 礼は、感嘆の声をあげた。 中華風スイートルームとでもいおうか。 礼が通されたのは、二十畳ほどの豪華な部屋だった。 天蓋付きの寝台と丸テーブルが置かれている。 どれもこれも色鮮やかな装飾が施されていた。