「おい、劉巾!」 全力で突っ走る劉巾を、獅子は呼びとめた。 「今はあんたと、遊んでる時間はない。」 獅子を振り切ってまた駈け出そうとするのを、獅子は力ずくでとめる。 「おい、待てって。 そっちは御史殿――― ってもしかして、お前…」 劉巾は鍵を突き付けた。 「おい、それ… わかった。 俺も行く。」 二人は、御史大夫の部屋を目指した。