月物語 ~黒き者たちの宴~




「待って!」



飛燕が消えかかる。



『一人の手も、逃さないで…』



礼は鏡の前に座った。



自分より美しいその顔に、そっと手を伸ばす。



ひんやりとした鏡が、余計“死”というものを浮かび上がらせる。



「あなたの身体を、犠牲になんてしない。」



重要な情報は手に入れた。



―あとはきっと、私次第。