いつでも熱い男だ。 そして賢い。 「そんな興奮すんなよ。 あんたがあの王を嫌いでも、天が選んだんだ。 俺たちは守る駒になるしかねー。」 「だから私はここにいるのではないか。」 男は益々興奮した。 東苑が、ギロりと獅子を睨む。 そして、もう一人の来訪者に向き直った。 「そうじゃ。 もう、そなたは十分役目を果たした。 だから―――」 東苑が静かに諭すように言った。 「彩夏殿、捨て駒になるようなことはするでない。」