礼は、劉太常の元を訪れていた。 目的は二つ。 月の力について学ぶためと、劉太常を探るため、である。 今宵から月は欠け始める。 そうなると半月後には確実に何かが起こる。 それが何なのか今は見当もつかない。 だが、迂闊に誰彼構わず相談できることもできない。 情報は自分で手に入れて、自分で考える。 『次の新月に、事は起こる。 それまで、劉太常には気をつけて。』 飛燕の言葉を理解するには、彼と接触するのが一番だと考えた。