―――新月の日。 物忌みをさせられていた。 窓も開けられず、息苦しさを感じる。 月はもう登ったのだろうか。 礼は、皆の気持ちとは裏腹に、何かが起こることを期待していた。 時が長い。 『主上―――――』 あの声が降ってきた。 『主上。』 なんとなく、来ることの予想はしていた。