雲一つない空が、青々と広がる。 礼はその眩しさに目覚めた。 目の奧がじんとしたので、再び目を閉じる。 草原が波打つ音が耳をくすぐった。 その波に乗って、草と土の香りが運ばれては流れる。 礼は、暫くそれを楽しんだ。 フッフッん、フッん。 生暖かく、少しくすぐったい息が、礼の顔にかかった。 懐かしい感覚に目を開く。 「起きたか?」