朝議の後、回廊を歩いていると、一人の男が控えているのが見えた。 一緒に歩いていた光燐が、眉を顰める。 どうやら礼を待っているようだ。 ─彼は確か… 「主上、お待ち申し上げておりました。 ご無礼をお許しください。」 式の際、雉院の傍らにいた男である。 その容貌は、はっとするほど美しい。 「無礼であるぞ!」 すかさず光燐が咎める。