羽美はいつもこうだった。
頭より先に体が動いてしまうから、計画というものが立てられないのだ。
そのためいつも行き当たりばったりで、突然の事態に対応することができなかった。
自分の欠点を知っていたのに、どうしてまた同じ間違いを繰り返してしまったんだろう。
「帰ろっかぁ…」
残念そうに肩を落として踵を返す彼女の肩を、海月が強く引いた。
「お花見するんでしょ?しようよ」
「え、でも」
落ち着いて桜を見られる場所はもう残っていない。
みんなが花見をしている横で立ち見というのも、風情が無い気がして嫌だった。
「あそこがあるよ」
彼が指差したのは、大きな桜の木だった。
とても立派な木だったけれど、枯れているのか桜が咲いていない。
そのためその木の周りだけは人がまばらだった。


