羽美はさっきからうれしそうにはしゃぎまわっている。
「いやったぁ、海月とお花見ー!」
海月も羽美と花見に行けることがうれしくて仕方なかった。
けれど、現実はそう簡単にはいかない。
「あれぇー…?」
うっかりしていた。
羽美から誘っておいて、場所取りのことをさっぱり考えていなかった。
桜は満開で、世間は花見シーズン真っただ中。
場所取りもしていない人が座れる所なんて、そうそうあるはずがなかったのだ。
辺りは人でいっぱいで、落ち着いて桜を見れる所はなさそうだった。
「ど、どうしよう…」
楽しい気分は一転。
今度は、海月に呆れられるんじゃないかと心配する気持ちの方が強くなった。


