気持ちがモヤモヤしながら、とうとう昼休みになってしまった。

制服を整え、屋上へと足を運び、ゆっくりドアを開けた。

ちょっと冷たい風が髪をなびかせて透き通っていく。


すると前に見た、空賀君が空を見上げて待っていた。

一歩一歩近いていく私。


「す、空賀君…だよね?」

『うん。美紅ちゃんだよね?』


いきなり呼び捨てって。

気にしないからいいけどね。


「うん。話しって何?」


ゆっくり私に近づく空賀君。

なんだろ。

この感じ…

誰かに似てる…

そう、この感じは、咲弥。



その瞬間ドアが大きな音を立てて開いた。



『美紅、今日…』


「咲弥!!」



黙ったまま見つめ合う咲弥と空賀君。



『お前…』


『お前って、ちゃんと兄貴の名前ぐらい名前で呼べよ?
“双子”の兄弟だろ?』