「もう逃げられないね~」

 怖い…。

 「俺からな」
 
 押し倒された。

 「ぃゃっ」

 抵抗してもその人は動かない。

 その人の手が太ももを撫でる。

 「きゃっ」

 ゾクゾクする。気持ち悪い。

 バンっ!!

 「てめぇらふざけんなよ!!」

 扉を蹴り倒す音と五人の声が聞こえた。

 「こう…や、ゆ…う、り…く、りゅ…う、な…お」

 私は、どれだけ泣けばいいのかな?

 また涙が溢れ出した。

 「なんだ~、今からいいところだったのになぁ」

 姿を消したはずの愛理が現れた。

 空夜と龍と奈桜が三人を捕まえて、悠羽が私を支えてくれている。

 「こいつらに頼んだのは、お前か」

 陸玖が、愛理を睨む。

 「遊び人の陸玖君が女の子に手を挙げれるの?」

 馬鹿にしたように陸玖を鼻で笑う。

 「そうだな、確かに俺は遊んでばっかだった。

 けど、俺は今璃音を本気で愛してるから。

 璃音を傷つける奴は、許せねぇんだよ」