「無視無口は早瀬の前ではしないの?」

『学校以外なら……』



くそっ。
あいつ愛澤さんと普通に会話できるとかどんだけ仲いいんだ。
おっと今は嫉妬してる時じゃねえ。



「それじゃあ秘密がなかったら愛澤さんは普通にクラスのやつとも仲良くできるってことじゃん」

『……そうなのかな?』

「愛澤さんがクラスメートと仲良くしようとしなかったのは仕方なかったことなんだよ」

『……』

「だからたとえ俺が思ってた愛澤さんじゃなくても、ちゃんとした理由があって避けてたんだから嫌うわけないじゃん」



愛澤さんは涙をポロポロ流し始めた。
たぶん、これは嬉し泣きだと思う。
泣いてる理由はあえて聞かないでやった。

俺は言いたいことだけ言わせてもらう。



「愛澤さんは本当のことを話してくれたじゃん。俺は言ったよ?本当の愛澤さんが知りたいって」



今目の前にいるのが本当の愛澤さん。
普通の女の子。