好きと認めたら、今の状況がとてつもなくヤバい気がした。

何度も言うが、ここは二人っきりの保健室。
しかも愛澤さんはベッドの上で恥ずかしさと体調不良から弱っていて、顔を赤くさせ涙目になっている。
愛澤さんは壁に逃げてるけど数十センチしか離れてなくて、すぐに触れられるし彼女を囲うこともできる距離で、俺はベッドに腰かけていて……つまり紳士とか言いながらサイテーな妄想を膨らませてる。

ダメだろ俺!
紳士の春樹様はどこいった!!
これじゃあただの変態だ。

絶対に愛澤さんに嫌われる。

ん?
嫌われる?


“だって……、寅沢くんに嫌われるって思ったら、止まらなくなっちゃったんだもん!!!!”


愛澤さんは俺のことどう思ってるんだ?
嫌いではないんだよな?
じゃあ好き?
両想い?

しかしそれはなんか違う気がした。
さっきは愛澤さんは俺のことを好きみたいな雰囲気を漂わせていたが、愛澤さんは普通の女の子と違う何かがある。

素直になれない子と思っていたのが、本当にクラスメートを拒絶していたように、俺の考えを外してくるんだ。