早瀬は彼女に呼ばれ、急に黙った。

ちょっと待て、俺にはこの会話が理解できない。
愛澤さんと早瀬は前から知り合いなのか?

呆気にとられて、二人を見るみんな。
早瀬は周りを見てばつが悪そうな顔すると愛澤さんから離れた。



「状況が状況だったから……」



そして口を尖んがらせ何か言い訳するように言った。


『……先生、保健室行ってきます』

「え、大丈夫なのか?」

『はい。一人で行けます』



けど、愛澤さんはその言葉を無視して、自力で立ち上がり先生にそう言った。
先生はいきなり話しかけられ驚く。
愛澤さんはまだフラフラしてるのに、歩き出した。



「待って、愛澤さん!ついていくよ!」



俺は我に返り、慌てて彼女を追いかけた。
あの状態だとまた倒れてもおかしくない。

彼女はついてくることに何も言わなかった。



早瀬が気になり振り返ってみると、早瀬は傷ついた顔して愛澤さんをそこから動かず見ていた。


何もかもわからなかった。