キマイラ




『「「…………」」』

「……あ、ごめん。話続けて?」



今、早瀬がものすごい恐い顔で睨んできた……。
海璃って子は誰って感じでキョトンした顔して俺を見つめて、愛澤さんは嫌そうな顔した。

今は俺が口を挟んではいけない気がする。



「めー姉ちゃん、弁当忘れてるよ?」

『海璃が届けてくれたの?』

「そう。はい」

『ありがとう』



俺の言葉を聞き海璃って子は話を続けた。
どうやら弁当を届けにきたらしい。

てか……愛澤さんが微笑んでる!!!!
優しい笑顔になってる!!

なんだこいつ!
愛澤さんを笑顔にさせるなんて……!



『暑かったでしょ?ごめんね?』

「ううん。大したことないよ?めー姉ちゃんのためだし!」

『優しいね海璃は』



甘い!!愛澤さんが甘いぞ!?
お姉さんの顔になってる!!
何これ!?
弟だからか!?
弟だから甘いのか!?
ちょ、そのデレ俺の時にも向けてよ!!