キマイラ




「急いでるんでしょ」

『え、あ、うん』



我に返るように靴を履いた。
そして早瀬のところまで一緒に走った。
少し駆けた感じだから、愛澤さんが必死に走るところは見れなかった。

校門に近づくと、門のところに寄り掛かっている人が見えた。



『海璃、ごめんね?』



ふーん、こいつが。

海璃って言うし、女を期待してたけど、その期待は外れで男だった。

たぶん中学生の。

服はカジュアルで、少年ぽっい半ズボン。
つまり私服。

でも中学生がなんでこの時間ここにいるのかがわからない。
まだ学校だろ。
休みか?

そしてお前は愛澤さんの何なんだ。

と思ってたら、



「あ、めー姉ちゃん!」

「姉ちゃん!!!?」



三人が同時にこちらを向いた。