「酒井さんて、あのおじさんだろ?」 俺が目で言うと親父は頷いた。 …ってことはその瑠璃ってやつ、あの女のことじゃねーか!! かっっ!!と目を開き、親父に訴える。 「あいつがお隣りなんて、俺死んっでもヤだからな!!」 「…………、もう決まったことだし、フィアンセ一人にする訳にはいかないだろう。 おまえは仮にも瑠璃ちゃんの婿なんだからな。」 少し怯んだあと、なんか恥ずかしいような言葉をほざく親父。 フィアンセ? 婿? はっ、上等! そんなの俺が覆してやるよ。 俺はそう心に決めた。 .