「本当に何もされてないか?」 「うん、大丈夫…。」 何がなんだか良くわからなくて、頭が働かない。 そんな私の顔に残っていた涙の後を、由紀は指でなぞった。 「さっきの男の人は、知り合い?」 さっきの男の人について聞く。 すると、衝撃の言葉が帰って来た。 「あいつは松田幹也。高2で俺の弟。んでもって今は留学中だ。」 「え?」 えぇぇぇぇぇ。 弟って。 弟って何!? .