早いリズムで聞こえる足音が止まったと同時に見えた由紀。 息がはずんでいて、走ってきてくれたのが分かった。 そして、私と、私の上に乗っている男の人を見るなり、一瞬驚愕を顔に浮かべた。 「なんで幹也が……留学は?」 「今は長期休暇なんだ!」 さっきとは打って変わって、にこやかな笑顔を向ける男の人。 怪訝な顔をしていると、由紀と目が合った。 .