「はよ。」 「おはよう、松田。」 朝、待っていてくれた松田の手を取って歩く。 高校生活最後の日だからって、私たちは無理を言って歩いて登校することを許して貰っていた。 「終わりだな。」 「うん。終わりだね。」 その一言以外、全く喋ることなく学校まで向かう。 その日は不思議と記者たちに見つからず、ゆっくりと足を進めていた。 .