文化祭当日。 学校全体が活気づいている。 私のクラスでやる劇も、松田が演じる王子役で客がたくさん入っていた。 「これなら学年…いや、学校1位も夢じゃないんじゃね!?」 「松田様様だぜーっ!」 「そうおだてんなって!…まぁ、それほどでもあるけどな。」 「うわっ、うっぜー!」 ケラケラと笑う松田たちの声を聞きながら時計を見る。 「あと10分で12時か…」 急がないと! 私は後のことをクラスの子たちに任せると、体育館に向けて走っていった。 .