「信じられないっ!!」
そう怒って保健室を出ようとした水菜を急いで引き止める。
「…別にいいの。それに、松田には彼女がいるんだし、どっちにしろこの婚約はなかったことになる予定だったし………。」
ねっ?と笑って見せる。
すると水菜は、複雑そうな顔をしたあと、ハッとして私な両肩を掴んだ。
「そう!彼女!!あの話、デマだったっぽいよ!!」
「………え??」
頭がぐるぐるする。
じゃあ私、松田のこと、諦めなくてもいいんだ…!
「ありがとう!」
ポロポロと涙を流しながら何度もお礼を言う私に、水菜は微笑んだ。
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