嫌いなあいつは婚約者




「ちょっと、大丈夫!?」


教室に戻ってきた私を見るなり、心配して駆け寄ってきた水菜。



周りの子たちは、何事かと目線をこちらに向ける。

その視線から隠すように私を支えた水菜は、クラスの子に一言残すと、そのまま私を連れて保健室へと向かった。







「……で、何があったの?」


背中をあやすようにさすりながら聞いてくる水菜に、ほっとした私の心はだんだんと落ち着いてくる。

私は、トイレで聞いたことをありのまま水菜に話した。







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