「じゃぁ、罰として私のこと名前で呼んでっ!」
え......、そんなこと?
名前で呼ぶということに、たったそれだけで良いのか聞く。
「だって、マネージャーって呼ばれると赤の他人みたいで、寂しいんだもん...」
と佐山は言った。
そういえば、俺名前で呼んだこと無かったな...。
改めて、マネージャーに...じゃなくて、楓に言う。
「楓っ!」
俺の声に、先に進んでいた彼女は振り向く。
「楓はそのままで十分、可愛いよ!」
大きな声で言ったから、周りの人も俺たちを見ていた。
楓は、口をパクパクさせて真っ赤な顔で小さく言った。
「凌って...、天然?!」
真っ赤な顔で、楓は走り出した。
あれ、また怒らせた?

