ちょ、こんなときに喧嘩なんてっ......
止めようと2人に近づく私よりも先に、玲王が。
「お前等、さっきからうるせえんだよ! 喧嘩するなら、余所でやれ」
とただでさえ低い声をもっと低くさせて、睨むような目つきで言った。
「そんな怒ること無いだろ?! 玲王だって、不安なくせに!!」
一瞬、怯んだ陽斗が言い返した。
止めようにも止められないこの喧嘩。
由樹を探すも、この部屋にはすでに居ない。
どうしようと色々考えるが、こんなときに限って良い案が浮かばない。
もう止められないかと思うと、涙がこぼれそうになる。

