「何突っ立ってるんだ? 置いて行くぞ?」 お父さんはもう入り口まで行っていた。 その後を、急いで付いて行く。 お父さん、間違ってない? 芸能事務所にお母さんが、居るわけないじゃん。 そう思いつつ、お父さんの後に続く。 そして、社長室の中に入ると、奥から聞き覚えのある声がした。 「楓~っ、壱~っ!」 あれは...... 「お母さんっ?!」 手を大きく振って、こっちを見ている。 何でお母さんがここに?? キラキラにこやか笑顔のお父さんとは違い、 私の頭の中は、“?”だらけだった。