「玲王...お母さん、大丈夫かな...」
「わかんねえ...。
あれだけ気を付けてたのに...」
「ごめん」と額に手を当て、申し訳なさそうに謝る彼。
目線を落とすと、くまのぬいぐるみと遊ぶ奏音がいる。
何も知らず、幸せそうに笑ってる。
「...だめだ。回線パンクしてんのか、つながんねぇ」
「...あたし、事務所に行ってくるっ」
ガバッと立ち上がり、ハンガーにかけていたコートを手に取る。
「奏音、よろしく」
「ちょ、かえで! おい!」
玲王の呼び止める声もきかずに、玄関を飛び出す。
現状を把握できないなんて、そんなの我慢できない。
これでも、SHOOTのマネージャーよ。
玲王を外には出せないから、代わりにあたしが動くしかない。
12月の空気は冷たく、肌に突き刺さる。
コートをしっかり羽織り、マンションを後にする。

