頭の中で勝手に追い込んでいく。 責めて、責めまくった。 「落ち着け。楓」 軽く叩くように頬に置かれた手。 その軽い痛みが私の思考をストップさせた。 「もうすぐ、救急車が来る。 マネージャーのお前がそんなんじゃ、玲王が呆れるぞ?」 いつも通りの、凌の口調。 しっかりしなきゃと思う自分が目を覚ます。 「そうだね......ありがとッ! 凌!」 気づけば、玲王の元へ走ってた。 「ハァ......やっぱ俺には、楓を振り向かせることは出来ないんだな」 凌がやれやれとした表情で、私を送った。