「返事はいつでもいいから......あと、急に抱きしめてごめん」



呆然と立ち尽くす私に、そう言って赤くなった顔を隠すように俯いてどこかへ行った。





・・・・・・・・・。





え、ちょっと、え??


こんな状況に言うのって......



無しでしょ!!




凌って私のこと好きだったんだ......。


全然分かんなかった。


そんなことを考えていると、浮かんだのは玲王の顔。




玲王のあの笑顔が言葉が、全てウソだったとは思えないよ......。





百聞は一見にしかず。



色々な情報を吹き込まれても、自分の目で確かめなきゃ。


どんなに怖くても、どんなに最悪な結末でも、見なきゃ。



この決心をしても、この状況が納まるのに二週間は掛かった。