バシャバシャと足を動かす小さな音しか聞こえない静かさ。
そんな中、玲王が口を開いた。
「楓、お化け屋敷苦手だったんだな」
「苦手というか、嫌い」
口元を意地悪そうにあげた玲王が、馬鹿にしているように見えた。
「嫌いなら、ちゃんと言えよ......」
さっきまでの声とは違い、小さく凋んだ声。
湖を見ていた視線を玲王に向ける。
少し怒った表情が伺える。
見つめていると.........
「痛ッ」
......デコピンされた。
「何する......」
「マジで、楓が居なくなって焦った」
私を見つめたまま、答えた玲王。
ドキッとなる心臓。

