タッタッタッ......
あれ、誰か来る?
お化けだったらどうしよう......。
ううん、お化けでも出口まで連れてってくれるならいいや......。
どんどん近くなる足音。
それにつれて、見えてくる顔。
見えた瞬間、瞳から雫が落ちた。
「おいッ!! バカエデ!!」
――――玲王......。
「ふっ......っ...」
息を切らして、首にはたくさんの雫が見える。
「泣いてんじゃねーよ」
「泣いてないよ......アホレオ......」
そう答えると、ふっと笑った玲王。
玲王の手が頭の上に置かれると、それだけでネガティブだった思考は消えた。
そして、どんどん心が温かくなった。

