重い鉛のような足で、必死に走った。
曲がり角を何度も曲がって。
「はぁっ、はぁっ......」
ただ走った先には、幾つものお墓があり、人一人いない。
玲王ッ......。
頭に浮かんだ玲王を探すが、誰もいない。
「ダメだ......腰が抜けちゃった......」
ペタンと地面に座り、足に力が入らない。
け、携帯......。
念のためのバッグに入れておいた携帯。
だけど、こんな時に限って充電切れ。
ウソ......でしょ......。
私、道全然覚えてない......。
後ろを見ると、暗くて先が見えない。
誰の声も聞こえない。
幽霊の怖さと、独りの恐怖が込み上げる。
誰か来てよぉ......
誰か通ってよぉ......

