ムカついたから、力を入れて掴んだ。
男は痛いのか、少し顔を歪めた。
「こいつ、俺の連れなんで」
言い放ったあと、掴んでいた手首を振り払った。
3人いた野郎共は走ってこの場を去った。
俺、そんなに強く掴んだっけ?
無意識に手を見る。
つーか、あれでもモデルかなんかの端くれだろうに。
「ありがと凌♪ 腕掴まれて、焦ったんだよねぇ......」
ふわっと笑う楓。
「別に......」
平常を装って、応えたけど......。
内心は、心臓バクバクで危なかった。
多分、今顔赤いぞ俺...(汗)。
楓を見ると、どこかを見つめていた。
その先には、玲王が3人の女と一緒に居た。
楓の瞳は、羨ましそうに見えた。

