「あーあ......今日で旅行も終わりかぁ......」
食堂に着くと、凌が机に項垂れていた。
そっか、今日でもう帰らなきゃいけないんだ.........。
お父さんやお母さんに会える嬉しさと、この楽しい時間が終わってしまう寂しさが浮かぶ。
シュンと俯いていると。
「なーに間抜けな顔してんだよっ」
頭の上に手を優しく置かれた。
上を向くと。
「陽斗.........」
「別に、この旅行が終わっても俺等がバラバラになるって訳じゃ無いじゃん」
そう言い終えた後に「あ。葵さんは別の事務所か......」と付け加えた。
そこ大事なとこじゃん(笑)。
陽斗のおかげで、寂しかった気持ちも吹き飛んだ。
「最後の朝食だもんっ、たっくさん食べなきゃ!」
お皿を持って、列に並ぼうとすると。
「あんま食うと太るから気をつけろよ~」
笑いながら凌に言われた。
失礼な!!
そんなに食べないし。
......多分。

