もぉー、少しは聞いてよー...。 少し頬を膨らませながら、テレビに目を戻す。 プルルルル...... 電話音が鳴り響く。 お父さんが立ち上がり、受話器を取る。 「はい、佐山です。 あっ、璃子!」 璃子...、お母さんだ! 私の家は、お父さんが専業主夫で、お母さんが働いている。 お母さんは忙しくて、滅多に家に帰って来ない。