「とりあえず、今日は自分の部屋に戻りにくいだろうから、私の部屋においで?」
私の気持ちを察してくれて、玲王にメールだけでもすることにした。
〔今日は、繭さんのところに泊まります。〕
〔送信しました。〕と表示され、繭さんの部屋のベッドに横たわる。
あれから、何も聞いてこない繭さん......。
気遣ってくれてるのかな......。
そう考えている内に、私は眠ってしまった。
「楓ちゃん、楓ちゃん......」
「ん......」
誰かに起こされて、目を開ける。
「まゆ...さん......」
そうだ、私ここで寝たんだ......。
時計は6:30と表示されている。
「他のメンバーが心配するといけないから、早く戻った方が良いんじゃない?」
「あっ、そうですね......」
気遣ってくれた繭さんに、何一つお礼も出来ないまま私は部屋を後にした。

