「そっかぁ......玲王くんにねぇ......」
泣いていた理由を私から話した。
繭さんに優しく抱きしめられると、自然に話した。
「それで、楓ちゃんはどう思った?
玲王くんのこと好きだったから受け止めた?」
ううん...違う......。
首を横に振る。
「一言で言えば......怖かった...」
いつもの私をバカにするように接する玲王じゃなくて。
いつもの優しさも無くて。
知らない玲王が居て。
どうしてこんなことしたのか、頭が全然追いつかない。
そんな私の状態に気づいたのか。
「深く考えなくて良いわ。
男ってそんなもんよ」
優しく包み込むような笑顔で私を見る繭さん。
「...はい...」
頷くことしか出来なかった。

