【完】SHOOT~あなただけのマネージャー~

【楓side】




「はぁ、はぁっ......」



無我夢中で走って、着いた先は昼間遊んだ浜辺。



立ち止まると頭に浮かぶ、部屋でのこと。



頬を叩いたときの玲王の鋭くて冷たい瞳。



ズキッ......



「なんで......私、何かしたかなぁ......」



溢れる涙。


その場に座り込んで、ただ涙を流す。



そんなときに聞こえた声。



「もしかして、楓ちゃん?
どうしたの?こんなの夜に......」




「繭さん......」



夕食のときにたまたま相席をした、女優の白石繭さん。



「泣いてるの?」



繭さんの優しい表情を見ると、思わず抱きついてしまった。



そんな私を優しく抱きしめてくれた。



余計、溢れる涙。