社長がこの部屋を去ってはや3分。
気まずい空気が流れる。
「えっと、とりあえず自己紹介しようか?」
最初に口を開いたのは、由樹さんだった。
しかし、続きを言う前に玲王さんがゴミ箱を蹴る。
ビクッ...
体が震えた。
「俺は、認めねーからな」
乱暴にドアを開け出て行く。
低い声、睨んだ目。
凄く怖かった。
「怖がらないで。
僕は、星野由樹。 知ってるかな?」
「俺は、緒方陽斗。 よろしくな」
優しい声で、言ってくれる由樹さんと陽斗くん。
コクンと頷いた。
「私は...、佐山楓です...」
少し声が震えた。

