「ねぇっ、乃愛さんっ!!」
バンバンと扉を叩く。
しかし、一向に開く気配が無い。
もしかして...、本当に置いて行っちゃったの......?
「誰かっ、誰か居ませんかっ?!」
大きな声で叫ぶ。
しかし、扉の向こうからは誰の声も聞こえない。
「ハァッ、ハァッ......」
叫びすぎて疲れてしまった。
抜け出す方法を考えるも、このときに限って浮かばない。
「......ケータイ!!」
ポケットにケータイが無いか確認する。
あ......楽屋のバッグの中だ...。
まだ他に方法が無いか頭の中を探す。
「撮影......撮影が終わるまで待てば良いんだっ!」
やっと浮かんだ一つの希望。

