着いた場所は、薄暗く埃が舞っていた。
「けほっ、忘れ物はどこですか?」
先に倉庫の中に入っていたから、外にいた乃愛さんに尋ねる。
でも、乃愛さんはクスクスと怪しい笑みを浮かべていた。
「ごめんね、楓ちゃん......」
「へ?」
「みんなのアイドルSHOOTのマネージャーだからって、玲王くんとベタベタし過ぎじゃない?
だから、一回シメとかないとね♡」
どういう意味......?
怪しい笑顔で言う彼女の言葉がよく分からなかった。
「あの乃愛さ―――」
バンッ
大きな音にビクッと体が震える。
閉められた重く堅い扉。
そして、扉の向こうから聞こえる声。
「調子に乗ってるあなたが悪いのよ? あなたがいつここを抜け出せるか見物ね...♪」
抜け出す?

