衣装を渡され、更衣室へ行く。
「......着てみたものの......」
「「「キャーッ、ブレザー最高ッ♡」」」
女性のスタッフさんの声が響き渡る。
「いやー、学ランにするかブレザーにするか迷ったのよねぇ」
クルンと曲がった髭を触りながら言う、多分オネェ系のスタイリストさん...。
学校の制服とさほど変わんなくね?
きちんと着るのは俺の気が済まないから、着崩すべきか迷う。
「「葵くんも、すっごく似合ってるね~♡」」
葵の方を向くと、緩く結ばれたネクタイ。
髪もキマってんじゃん...。
「なに、お前学校でもそんな感じ? 何気真面目キャラ?」
全く着崩していない俺を見て、吹き出して笑う。
「んな訳ねーだろ!!」
すぐにネクタイを緩める。
真面目キャラとか俺に合わないし。

