――――――――――――――― 今日から撮影開始。 あの後ちゃんと楓を家に送ったんだけど、 事務所での俺の行動に怒って、一切口をきいてくれなかった。 「おはようございまーす...」 隣で未だに頬を膨らましている楓。 全く話さない。 「はぁぁーーー」 スタジオの片隅で溜息を漏らす。 すると、ポンと肩を叩かれ振り向く。 「今日はいつにも増して暗いね~」 葵が面白そうに俺を見ていた。 「睨むなって、ほら撮影始まるぞ?」 睨むと逃げるようにして歩いて行った。